怪談話の会
ビビリ中学生のうちの息子に、根性をつけさせたいなと思っていたら、近所の墓場にある会館で、こっそり怪談話の会が夏休みの間、毎週催されるらしいとの情報を、友達が教えてくれた。
「へぇ~、こっそり行われるんだね。『怪談話大会』とか大っぴらじゃなく・・・・・・」
「そうらしいのよ。やっぱり、『墓場で遊ぶとは何事だ!』とか、先祖供養にうるさいご近所のおじいちゃん・おばあちゃんたちから苦情があるんじゃないかしら」
「なるほどねぇ~。うちのビビリ息子に、一度行かせてみるわ」
「何回か行ってるうちに、だんだん怪談話にも慣れて、それこそ肝試しに夜中に墓場をウロウロするぐらいの根性も座ってくるんじゃないかしら」
「そうなるといいんだけどね」
私は、嫌がる息子に、「肝試しでお墓をウロウロってことはないみたいだし、怪談話だけみたいだから、行っておいで!」と背中を押してやった。思春期の息子は、てっきり怖がって、まぁ行かないだろうと思っていたけれど、自分でもビビリを克服したいと思っていたらしく、恐る恐る怪談話の会へと向かった。
息子は、おそらく一回だけ行って終わるだろうと思っていたら、これが意外と、二回、三回、四回・・・・・・と、毎週通い、日に日にビビリを克服して、自信につながっていったのか、表情も明るくなってきていた。
「あんた最近、すっかり明るくなったね!」
「そうかな?」
そう答える表情も実にイキイキしていた。怪談話の会を、実に毎週楽しみにしている様子だった。
最終回の日、私は主人とこっそり、会館の様子を伺いに行ってみることにした。するとそこは、怪談話の会どころか、男ばっかりが、ムワァ~~、っと群がった『猥談話の会』だった。
「そりゃ、楽しいはずだわね」
と、私は呆れて主人の方を向くと、主人は早速、来年度の入会申込書に自分の名前を記入し始めていた。
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