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ムチュージン(夢中人)

 駅のホームに停車中の電車に乗り込んだ。発車まで、まだしばらく時間があった。

 同じく、早めに乗り込まれたご夫婦が、私から少し離れたところで座っておられ、何やかんやとしゃべっておられた。

 「ちょっと、おかあちゃん。まだ時間あるさかい、そこの自販機で、コーヒー買(こ)うて来てぇなぁ」

 「もう、じゃまくさいなぁ!あっち着いてからでええやないの」

 と、ぼやきながらも、奥さんはホームに下りて、自販機に向かわれた。

 すると、ホームに下りられた瞬間に、奥さんのハンドバックの中の携帯電話が鳴った。奥さんは電話に出られると、どうやら親しいご友人からの久しぶりの電話だったらしい。駅のホームで、大きな声で、「いかにも大阪のおばちゃん」というイメージそのままにしゃべり出された。

 「いやぁ~、奥さん!久しぶりやんかぁ~!どないしたはんの?!・・・・・・ふんふん!・・・・・・いや、私もな、奥さんにいっぺん電話せなあかんなぁ思ててん!・・・・・・」

 ご主人のコーヒーなんて、どこへやら。

 コーヒーどころかご主人なんて、どこへやら。

 電車の発車時刻なんて、どこへやら。

 電車は、発車してしもた。

 それでも奥さんは、おしゃべりに夢中で、ホームでご機嫌さん全開にしゃべり続けておられたようだった。ご主人は、奥さんに「さよ~なら~」って感じで、大きく手を振っておられたが、奥さんは気づくこともなく、携帯電話片手に、大口を開けて笑ってしゃべっておられた。

 ある意味、あんなに夢中になれるっちゅうのが、うらやましい。

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コメント

創作ですか?
コントみたいで創作だろうと思いつつ、大阪のおばちゃんならアリかなと若干思ってしまいますヾ(^_^;


>>なおちんさん、>>

 コメントありがとうございます。
 JR大阪環状線内回り線(京橋・鶴橋方面)の天王寺駅構内でのできごとです。

 小松知広

投稿 なおちん | 2008年5月 6日 (火) 23時15分

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