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2008年4月26日 (土)

新居ご訪問

 「はい、もしもし・・・・・・、あ、久しぶり~~!元気~~!・・・・・・えっ?あ、そう!みんなもいるんだぁ」

 日曜の昼下がり、新妻の携帯電話が鳴った。どうやら、友達かららしい。

 「うんうん・・・・・・、えっ?!あっ、今、近くに来てるの~。うんうん・・・・・・、あっ、そこまで来てるんだったら、左手にタバコ屋さん見えるでしょ?・・・・・・うん、そうそう。そこの角をね、左に曲がってくれたら、マンションが見えるでしょ?・・・・・・そうそう、そのマンション。・・・・・・、えっ?何?あ、お菓子買って来るって?あ、そんなの気にしなくていいのよ、手ぶらで来てくれたら。・・・・・・そうそう、新居のお知らせ送ったときにさぁ、『お近くにお越しの際は、どうぞお気遣いなく、手ぶらで来てくださいね!』って書いてたでしょ。だから、気遣わないで~。もうほとんど到着してるんだし」

 新妻は電話を切ると、

 「突然ごめんね~、友達がさぁ、もうそこまで来てるのよね。ね、いいでしょ?」

 と、私に両手を合わせて謝りながらそう言うので、

 「もちろん!もちろん!どうせ今日は何の予定もなくて暇なんだし。それに、部屋も掃除したところできれいだし、ちょうどいいじゃない。僕もまだ会ってない君の友達に挨拶しておきたいし」

 と、私は快く了解した。

 「手ぶらで来るって言うから、悪いんだけど、あなたが食べるの楽しみにしていた昨日買っておいたケーキだけど、出してもいいかな?」

 「もちろん!もちろん!」

 すると、ほどなく、ピンポーン!っと鳴った。

 「どうぞ~。鍵開いてるから~、入ってきて~」

 インターホンで妻がそう答えると、玄関ドアが開き、妻の友達たちが上半身裸でノーブラ、ブラジャーの代わりに両手でお乳を隠しながら、

 「おじゃましま~す!『手ブラ』ですいませ~ん!」

 と、元気よく、ぞくぞくと我が家に入ってきた。

 手ブラですいませんだなんて、そんなこと言わないで、毎日『手ブラ』で来て下さいって感じだぜ!

 一通り挨拶を済ますと、

 「じゃ、僕、コーヒー入れるわ。みなさん、ミルクと砂糖は一つずつでいいですか?」

 「は~~い!」

 妻の友達たちから元気な返事が返ってきた。そして、その中の一人から、リクエストがあった。

 「ご主人、すいません」

 「何でしょう?」

 「すいませんが、コーヒーにミルクと砂糖一つずつ入れてもらって、かき回してもらえますか?」

 「はい、もちろん!」

 「それで、私たちにコーヒーを飲ませて頂いて、ケーキも食べさせてもらえますか?」

 「もちろんいいですけど、どうされましたか?」

 「何分、私たち、『手ブラ』なもので、手が離せないくらい忙しいんですぅ~~」

 私としては、手を離して欲しいのだが・・・・・・。

 

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小説」カテゴリの記事

コメント

日本でその格好でいると、逮捕されかねないねぇ。
その時はちゃんと手を離すのかなぁ?


>>なおちんさん、>>

 コメントありがとうございます。
 逮捕する警官にしてみたら、「さぁ、手を離して頂きましょう!」ってなところでしょうか?(笑)

 小松知広

投稿: なおちん | 2008年4月26日 (土) 23時56分

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